ロブチェン世代は本当に弱いのか|古馬の重賞で1番人気5頭が0勝。弱いのは世代か、路線か|タイガーAI
古馬の重賞で1番人気になった3歳馬は、今年5頭います。1頭も勝っていません。 10月4日の毎日王冠は、1番人気と2番人気がどちらも3歳馬で、7着と5着に負けました。スプリンターズステークスでも、桜花賞馬のスターアニスが1番人気で4着です。これだけ続けば、「今年の3歳は弱い」と言いたくなります。 ただ、古馬の重賞に出た3歳馬は、のべ23頭しかいません。それだけで世代を決めるのは早いので、同じ時期の条件戦まで広げて数えました。のべ2,321頭です(同じ馬が3回走れば3頭と数えます)。過去の3歳馬と同じ時期で比べると、弱い路線と、弱くない路線に分かれていました。 毎日王冠で負けた2頭は、走っていなかったのか。皐月賞のときと比べた 真速指数(タイガーAIのスピード指数)60以上の牡馬が41頭。古馬を相手に指数が高かった上位10頭 3年続けて古馬に勝てていない牝馬。遅いのは3歳馬か、相手か NHKマイルカップの指数は高かったのに、古馬の重賞で16頭が0勝だった中身 この7年でいちばん勝ち数が少なかった組 ダートで古馬を負かした上位4頭 この時期に低かった世代は、そのあとG1をいくつ勝ったか 比べたのは、2020年から2026年までの3歳馬です。どの年も毎日王冠の週までの成績で、今年は10月4日までです。 「弱い」と言われるのは、人気で負けているから 古馬の重賞に出た3歳馬の成績を、7年ぶん並べました。見てほしいのは、右の「うち1〜2番人気」から先の3列です。 年 古馬の重賞に出た3歳馬 勝ち 3着以内 うち1〜2番人気 その勝ち その3着以内 2020年 17頭 2 3 6頭 2 2 2021年 25頭 6 11 12頭 3 7 2022年 19頭 2 8 10頭 2 6 2023年 25頭 3 4 5頭 2 2 2024年 22頭 4 5 5頭 2 3 2025年 23頭 2 7 4頭 1 3 2026年 23頭 1 3 10頭 1 2 今年の1勝は、8月30日の新潟記念を2番人気で勝ったゾロアストロです。1勝は7年でいちばん少ないのですが、2勝で終わった年も3回あります。差は1頭ぶんしかありません。 例年と違うのは、勝ち数より人気のほうでした。今年は1〜2番人気に推された3歳馬が10頭いて、3着以内に来たのは2頭だけです。同じくらい人気を集めた年は過去に2回ありますが、どちらも半分以上が3着以内に来ていました。 1番人気の5頭を並べると、しらさぎステークスのエコロアルバが3着、スプリンターズステークスのスターアニスが4着、チャレンジカップのマテンロウゲイルが5着。京成杯オータムハンデキャップのフォルテアンジェロは6着、毎日王冠のリアライズシリウスは7着に終わりました。 人気を背負って負けているのですから、弱く見えるのは当然です。 ただ、古馬の重賞に出る3歳馬は、年に20頭ほどしかいません。1頭が勝つか負けるかで、世代の印象ごと変わってしまいます。 条件戦まで広げると、芝は低く、ダートは高い そこで、同じ時期の3歳以上のレースを、1勝クラスから重賞まで全部数えました。 見たのは、3歳馬が、一緒に走った古馬のうち何割に先着できたかです。たとえば16頭立てに3歳馬が1頭だけ出て5着なら、古馬15頭のうち11頭に先着したので73%になります。この記事では「古馬に先着した割合」と呼びます。50%なら古馬と五分です。 3歳馬は斤量(背負う重さ)が軽く、しかも勝ち上がってきた馬だけが出てくるので、ふつうの年でも60%前後になります。年によって重賞が多かったり条件戦が多かったりするので、クラスの割合は毎年同じにそろえて計算しました。路線ごとに分けると年に200〜600頭しかいないため、3%くらいの上下は運でも出ます。 次の表が7年ぶんの全体です。右の「芝だけ」と「ダートだけ」を見比べてください。 年 ダービー馬 3歳馬 勝ち 古馬に先着した割合 芝だけ ダートだけ 2020年 コントレイル のべ2,313頭 290 59.5% 58.0% 60.8% 2021年 シャフリヤール のべ2,475頭 291 60.7% 62.9% 58.6% 2022年 ドウデュース のべ2,455頭 317 63.0% 63.6% 62.4% 2023年 タスティエーラ のべ2,540頭 315 60.7% 59.5% 61.9% 2024年 ダノンデサイル のべ2,437頭 314 60.2% 60.2% 60.0% 2025年 クロワデュノール のべ2,277頭 308 62.9% 60.6% 65.1% 2026年 ロブチェン のべ2,321頭 296 61.2% 58.7% 63.9% 今年は全体で61.2%と、ふつうの年に見えます。ただこれは、芝の低さをダートの高さが補った結果でした。 芝は58.7%で、7年のうち下から2番目です。ダートは63.9%あり、上から2番目でした。 芝は、さらに3つに分けました。牡馬(芝1800m以上)、牝馬(芝1800m以上)、マイル・短距離(芝1600m以下・牡牝とも)です。ダートは牡牝まとめて1つにしています。 路線ごとの表には、着順だけでなく走りの中身も載せました。使ったのは真速指数(タイガーAIのスピード指数)です。走破タイムから、外を回ったロスや馬場の速さ、レース全体の速さといった「タイムの嘘」を取り除いて、その馬がその日どれだけ速く走ったかを表します。 平均が50で、高いほど速く走っています。古馬の重賞に出る馬の平均が60前後です。同じ基準で比べられるのは2021年からなので、指数の比較は6年ぶんになります。 牡馬|弱くない。真速指数60以上が41頭いる 芝1800m以上の牡馬です。表は「古馬に先着した割合」と、その右の「真速指数60以上の馬」を見てください。 年 3歳馬 勝ち 古馬に先着した割合 真速指数60以上の馬 ダービーの勝ち馬(真速指数) 2020年 318頭 44 61.3% - コントレイル 2021年 366頭 41 64.5% 17頭 シャフリヤール(63.0) 2022年 351頭 54 63.3% 29頭 ドウデュース(67.2) 2023年 357頭 53 63.2% 19頭 タスティエーラ(57.3) 2024年 359頭 61 63.1% 27頭 ダノンデサイル(60.2) 2025年 321頭 53 63.7% 17頭 クロワデュノール(64.7) 2026年 354頭 50 63.6% 41頭 ロブチェン(64.5) 牡馬は例年並みでした。古馬に先着した割合は63.6%で、7年のうち5年が同じ63%台に入っています。 指数で見ると、例年より上です。条件戦(1勝クラスと2勝クラス)を走った3歳牡馬の指数は、平均52.1でした。この6年でいちばん高い平均です。 60以上を出した馬も41頭います。次に多い年を12頭も上回りました。 では、毎日王冠の2頭は走っていなかったのでしょうか。 続きをNoteで読む(100円・XのポストをRPすると無料)